エネルギーに満ちた眩しい夏が去り、夜風に虫の音が混じるようになりました。
「秋は、夕暮。」と記したのは、清少納言の「枕草子」。天高く空気が澄む秋は、美しい夕焼けが見られます。日が傾くのが早くなり、夕暮れを意識しやすい季節です。
夕暮れにまつわる色に、「黄昏(たそがれ)色」があります。語源は、「誰そ彼(たそかれ)」。電気のない時代、夕暮れどきは人の顔を判別できないほどに薄暗くなり、「隣にいるあなたは誰?」と尋ねたそう。明るい「黄」と暗い「昏」で、昼から夜への移り変わりを表しています。
三方が山に囲まれた盆地の京都では、太陽は、西方の西山連峰へと沈んでいきます。夕陽は、山間に姿を隠した後もしばらくは地平線の上に留まり、山の向こうから照らす残光が、空と街を黄昏色に優しく包みます。水平線や地平線への落日とは趣の異なる、長く余韻が残る夕暮れです。
こちらのONETIMEは、京の街全体が茜空に染まる瞬間を閉じ込めたようなトワイライトアゲート。風景のようなインクルージョンから「ランドスケープアゲート」と呼ばれています。不思議な模様は、透明なカルセドニーが結晶化する際に、他の鉱物が入り込んで描かれたもの。同じものが二つとない特別感から、年々人気が高まっています。
デザイナーが昔に仕入れて大切に秘めていたランドスケープアゲートのルースから、一つをセレクトして、Fruitsjolieでは初めてリングに仕立てました。厚みをおさえたスッキリとしたデザインが、唯一無二のインクルージョンを浮き上がらせ、夕暮れの世界に浸らせてくれます。
品番:FJ1681
石名:トワイライトアゲート
素材:SV/GP
リングサイズ:13号
価格:96,800円(税込)
さて、日の入り後。夕暮れの名残を惜しむように、空はオレンジから淡いブルーへと、ゆっくり表情を変えていきます。すっかり姿を隠した太陽が、地平線の下から空高くへ光を照らすと、あたり全てが優しい群青色に染まる幻想的な「ブルーモーメント」が訪れます。
このブルーモーメントを四角いキャンバスに描き写したようなルースが、バイカラーサファイアです。
9月誕生石としても有名なサファイア。濃いブルーが天空や宇宙を思わせ、古くから大切にされてきました。一つの結晶に二つの色が含まれるとりわけ神秘的なバイカラーサファイアを、今回初めてONETIMEにセレクトしました。人気再燃中のスクエアカットです。
ピンクとパープルが溶け合った、まさにブルーモーメントのような1ピースは、華奢な4本の爪留めで。
濃紺のグラテーションが美しい1ピースは、アームを絞ったピンクゴールドの2点留めで。
絶妙なカラーの2ピースを、異なるセッティング・素材のK10リングに仕立てました。Fruitsjolieらしさが詰まったデザイナー渾身の力作です。
品番:FJ1911
石名:ブルーモーメントサファイア
素材:K10WG
リングサイズ:12号
価格:215,600円(税込)
品番:FJ1910
石名:マジックアワーサファイア
素材:K10PG
リングサイズ:12号
価格:192,500円(税込)
仏教では、西の方向に極楽浄土があると信じられ、沈み行く太陽を見る修行があるそうです。心を空っぽにして夕日を眺めたら、西山の向こうに、希望や未来が待っているような気持になれるかも。
これから日が経つごとに、彩り豊かな秋が深まっていきます。心満たされる穏やかな時間を、ここ京都で過ごしてみるのはいかがでしょうか。
【おすすめ夕暮れスポット】
京都で夕暮れを眺めるなら、Fruitsjolie JAZZ(京都店)近くの鴨川にかかる四条大橋がおすすめです。一期一会の空の色、川沿いの街の灯り、辺りを映して揺らめく水面。京都の人はもちろん、初めて見る方もなぜか懐かしい気分になるノスタルジックな風景です。
Text:梅乃